大型犬と暮らせる家はなぜ見つからないのか? 賃貸も分譲マンションも「小型犬まで」の壁
ゴールデンレトリバーと暮らす友人の住まい探しを手伝いましたが、世田谷区内では見つかりませんでした。賃貸のペット可物件は全体の19.3%(LIFULL HOME'S 掲載物件、2025年3月)しかなく、ペット可でも大きさの制限がつくことが多いのが実情です。賃貸・分譲マンション・戸建てのそれぞれで、大型犬の住まい探しがむずかしい理由と探し方を整理します。
先日、ゴールデンレトリバーを飼っている友人の住まい探しを、世田谷区内で手伝っていました。ところが、なかなか見つかりません。マンションは賃貸でも分譲でも、多くの物件がペットの大きさを「小型犬・猫まで」に限っていたからです。
結局、友人は23区外の市部で、駅から少し遠い庭付きの戸建てを買うことになりました。
賃貸でも購入でも、大型犬と暮らせる家を見つけるのはむずかしいのが実情です。なぜむずかしいのかを、公開されている調査の数字で整理しました。
賃貸のペット可物件はどれくらいあるのか?
全国の賃貸物件のうち、ペット可は19.3%です。 5件に1件もありません。
LIFULL HOME’S が自社サイトの掲載物件(マンション・アパート)を集計した数字で、2021年3月の12.9%から少しずつ増えてきましたが、まだ2割に届いていません。同じ調査では、ペット可物件は家賃が平均で約3.4万円高く、掲載から決まるまでの日数も約17日短いという結果でした。

大型犬の場合は、ここからさらに絞られます。ペット可の物件を探した人に不便だったことを聞くと、「ペットの種類・大きさに制限があった」が24.3%でした。
なぜ「小型犬まで」の物件が多いのか?
大家さんや管理組合が、部屋の傷みとトラブルを心配するからです。 オーナーからペット不可の理由を聞いたことがある不動産会社の74.2%が、「破損や汚れで修繕費がかかるから」を挙げています。
分譲マンションでは、ペットは居住者間のトラブルの上位です。国土交通省の「令和5年度マンション総合調査」では、過去1年に起きた居住者間のトラブルの内容として、ペット飼育が14.2%でした。生活音(43.6%)、違法駐車(18.2%)に次ぐ3番目です。
飼われている犬の多くが小さい犬であることも、線を引きやすい理由だと思います。ペットフード協会の調査(2024年)で、犬を1頭飼っている回答者1,026人のうち、中型・大型犬は131人(約13%)でした。
分譲マンションを買えば大型犬を飼えるのか?
買った部屋でも、管理規約で決められた大きさを超える犬は飼えません。 分譲マンションでは、ペットの大きさや頭数を管理規約や使用細則で決めていることが多く、「ペット可」と書かれていても大型犬は不可、という物件はめずらしくありません。
購入の前には、必ず管理規約と使用細則でペットの条件を確認してください。共用部では抱っこかカートで移動、というルールがあるマンションもあり、大型犬では現実的でない場合もあります。
大型犬と暮らす家はどう探せばよいのか?
仲介の立場からおすすめしているのは、次の3つです。
- 犬種・体重・頭数を最初に伝える。 「ペット可」の表示だけで判断せず、条件を物件ごとに確認する
- 戸建ても候補に入れる。 賃貸の戸建てや、友人のように庭付きの戸建ての購入も選択肢になります
- エリアを少し広げる。 駅からの距離や区をまたぐ範囲まで広げると、候補が増えることがあります
大型犬と暮らせる物件は、出てもすぐに決まります。実際、当社が所有している賃貸用の戸建ても、大型犬可としたらあっという間に入居者が決まりました。条件を決めておき、見つけたらすぐ動けるようにして、粘り強く探し続けるしかありません。ペットの条件も含めて、お気軽にご相談ください。
出典
- LIFULL HOME’S「ペットとの住まい探しの実態調査」(2025年5月)
- 国土交通省「令和5年度マンション総合調査」
- 一般社団法人ペットフード協会「2024年 全国犬猫飼育実態調査」