武蔵小杉の中古マンションは東京23区を超えたのか? ㎡単価は4年で1.5倍に

国土交通省の成約価格データで、武蔵小杉駅周辺の中古マンション(2005年以降築)の成約㎡単価は2021年の97.3万円から2025年の150.0万円へ、4年で54%上がりました。同じ条件の川崎駅周辺は25%、川崎市全体は29%、首都圏(一都3県)全体は34%、東京23区は38%の上昇で、武蔵小杉は2024年に23区の中央値を上回りました。1億円以上の成約の割合、築年数をそろえた比較、集計方法の注意点まで、公的データで確認します。

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当社は川崎市中原区に事務所を置く不動産会社で、武蔵小杉をはじめ川崎市内の物件について、売却・購入のご相談をよくいただきます。そのなかで多いのが「武蔵小杉のマンションは、ここ数年でどれくらい上がったのか」というご質問です。公的なデータをもとに統計を調べました。

武蔵小杉の中古マンションは2021年からどれだけ値上がりしたか

2005年以降築の中古マンションの成約㎡単価(中央値)は、2021年の97.3万円から2025年の150.0万円へ、4年で52.7万円(54%)上がりました。 70㎡の部屋に換算すると、約6,800万円が約1億500万円になった計算です。

この記事では、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」が公開している成約価格情報を当社で集計しました。不動産会社が実際に成約した取引の価格を国がまとめたもので、売り出し価格ではなく「実際に売れた価格」です。武蔵小杉のタワーマンションが集まる中原区の5つの町(小杉町・新丸子東・中丸子・丸子通・今井南町)を「武蔵小杉駅周辺」とし、タワーマンションの竣工が続いた時期に合わせて2005年以降築の物件に絞っています。

年 成約件数 成約㎡単価(中央値) 前年からの伸び
2021年 135件 97.3万円
2022年 152件 104.2万円 +6.9万円(+7.1%)
2023年 146件 112.0万円 +7.8万円(+7.5%)
2024年 158件 126.7万円 +14.7万円(+13.1%)
2025年 196件 150.0万円 +23.3万円(+18.4%)

出典:国土交通省 不動産情報ライブラリ(成約価格情報)をもとに当社集計。武蔵小杉駅周辺・2005年以降築の中古マンション

上がり方は年を追うごとに大きくなっています。2022年と2023年は年7〜8万円(7%台)でしたが、2024年は14.7万円(13.1%)、2025年は23.3万円(18.4%)上がりました。成約件数も2025年は196件と、5年間で最も多くなっています。

川崎駅周辺や川崎市全体、首都圏と比べるとどうか

同じ2005年以降築で比べると、4年間の伸びは川崎駅周辺が25%、川崎市全体が29%、首都圏全体が34%でした。武蔵小杉の54%は、川崎市内の比較対象のおよそ2倍、首都圏全体の1.6倍です。 2021年には武蔵小杉と川崎駅周辺の差は約6%しかありませんでしたが、2025年には約31%まで開いています。

エリア 2021年 2025年 4年間の変化
武蔵小杉駅周辺 97.3万円(135件) 150.0万円(196件) +52.7万円(+54%)
川崎駅周辺 92.0万円(54件) 114.6万円(76件) +22.6万円(+25%)
川崎市全体 70.0万円(955件) 90.0万円(1,153件) +20.0万円(+29%)
首都圏(一都3県) 72.0万円(14,685件) 96.7万円(19,681件) +24.7万円(+34%)

出典:同上。いずれも2005年以降築の中古マンションの成約㎡単価(中央値)

武蔵小杉駅周辺・東京23区・川崎駅周辺・川崎市全体の中古マンション成約㎡単価(2005年以降築、直近4四半期の中央値)の推移。2021年から2026年第1四半期にかけて、武蔵小杉駅周辺は97.3万円から152.5万円、東京23区は100.0万円から142.9万円、川崎駅周辺は92.0万円から117.4万円、川崎市全体は70.0万円から91.4万円。武蔵小杉駅周辺は2024年に東京23区を上回った。

川崎駅周辺は、JR川崎駅の東西に広がる幸区の大宮町・中幸町・堀川町・南幸町と、川崎区の駅前本町・砂子・東田町・本町・小川町・日進町・宮本町・宮前町をまとめたエリアです。川崎市内でもう一つのタワーマンションの集積地で、2021年の時点では武蔵小杉とほぼ同じ水準でした。

グラフで見ると、2つのエリアは2022年ごろまでほぼ並んで動き、2023年以降に武蔵小杉だけが角度を変えて上がっています。川崎駅周辺も上昇は続いていますが、その傾きは川崎市全体とあまり変わりません。点線の東京23区については、次の節で見ます。

最新の1年(2025年第2四半期〜2026年第1四半期)では、武蔵小杉駅周辺が152.5万円(188件)、川崎駅周辺が117.4万円(76件)、川崎市全体が91.4万円(1,151件)、首都圏全体が98.7万円(19,676件)です。

東京23区と比べるとどうか

武蔵小杉駅周辺は2023年まで東京23区の中央値を2〜3万円下回っていましたが、2024年に上回りました。2025年は150.0万円で、23区の137.5万円より12.5万円高くなっています。 4年間の伸びは、23区の38%に対して武蔵小杉は54%です。

年 武蔵小杉駅周辺 東京23区 差
2021年 97.3万円(135件) 100.0万円(7,128件) −2.7万円
2022年 104.2万円(152件) 107.5万円(7,486件) −3.3万円
2023年 112.0万円(146件) 114.3万円(7,856件) −2.3万円
2024年 126.7万円(158件) 124.0万円(7,984件) +2.7万円
2025年 150.0万円(196件) 137.5万円(10,136件) +12.5万円

出典:同上。いずれも2005年以降築の中古マンションの成約㎡単価(中央値)。東京23区は特別区の全域

2021年の出発点は、武蔵小杉が97.3万円、23区が100.0万円とほぼ同じでした。グラフでも、2024年半ばまでは武蔵小杉の線が23区のすぐ下を並んで動いています。その後、23区も上昇のペースを上げていますが、武蔵小杉はそれを上回る角度で上がり、差が開きました。直近1年では武蔵小杉が152.5万円、23区が142.9万円(9,991件)です。

23区の中央値には、都心の高額な物件から、駅から離れた物件や郊外寄りの区の物件までが含まれます。武蔵小杉駅周辺は駅近のタワーマンションが中心の地区ですので、立地の条件はそろっていません。それでも、2005年以降築のマンションの「真ん中の価格」で比べて23区を上回ったことは、武蔵小杉の価格帯が東京の平均的な物件より上に移ったことを示しています。

武蔵小杉で1億円を超える成約はどれくらい増えたか

2021年には1%だった1億円以上の成約が、2025年には60%になりました。 成約価格の中央値も7,100万円から1億1,000万円に上がり、武蔵小杉の築浅〜築20年前後のマンションは「1億円が標準」の市場になっています。

年 成約価格の中央値 1億円以上の割合
2021年 7,100万円 1%
2022年 7,200万円 2%
2023年 8,000万円 8%
2024年 9,000万円 25%
2025年 1億1,000万円 60%

出典:同上。武蔵小杉駅周辺・2005年以降築の中古マンション

同じ2025年の川崎駅周辺では、成約価格の中央値は5,950万円、1億円以上の割合は14%でした。川崎駅周辺は成約物件の専有面積の中央値が55㎡と、武蔵小杉(75㎡)よりコンパクトな住戸が中心で、総額で見ると両者の差は㎡単価以上に大きくなっています。

築年数の新しい物件が多く売れただけではないか

2005〜2014年築に絞って比べても、武蔵小杉の㎡単価は56%上がっています。東京23区は37%、川崎駅周辺と首都圏全体はどちらも31%、川崎市全体は26%です。

武蔵小杉駅周辺の成約物件の築年(中央値)は、2021年の2011年築から2025年の2014年築へ少し若くなっています。築年数が若い物件ほど単価は高いため、その分だけ上昇率が大きく見えている可能性があります。そこで、2021年にも直近にも十分な件数がある2005〜2014年築の物件だけで比べ直しました。

エリア 2021年 直近1年 変化
武蔵小杉駅周辺 92.3万円(96件) 144.4万円(109件) +56%
東京23区 93.3万円(4,592件) 127.5万円(5,047件) +37%
川崎駅周辺 92.6万円(33件) 121.5万円(42件) +31%
川崎市全体 67.1万円(661件) 84.3万円(649件) +26%
首都圏(一都3県) 66.0万円(9,922件) 86.7万円(10,245件) +31%

出典:同上。2005〜2014年築の中古マンションの成約㎡単価(中央値)。直近1年は2025年第2四半期〜2026年第1四半期

同じ物件群が4年分古くなったうえでの比較なので、築年数の分だけ単価は下がる方向に働きます。そのなかで武蔵小杉は56%上がっており、同じ築年帯の相場そのものが大きく上がっています。

築年をそろえると、川崎駅周辺と首都圏全体は31%で同じ伸びになりました。川崎駅周辺は首都圏の相場とほぼ同じペースで上がっており、武蔵小杉だけがそこから抜け出しています。

2021年はどんな出発点だったのか

2021年の武蔵小杉は、2019年10月の台風(令和元年東日本台風)で駅周辺が浸水してから約1年半後にあたります。それでも㎡単価は、川崎駅周辺をすでに約6%上回っていました。

この台風では武蔵小杉駅周辺の一部が浸水し、タワーマンション1棟で電気設備が被害を受けて停電・断水が続いたことが大きく報じられました。不動産情報ライブラリの成約価格情報は2021年第1四半期からの提供のため、台風の前との比較はできません。

なぜ武蔵小杉だけが大きく上がったのか

背景としては、東京23区の新築・中古マンション価格の上昇が周辺の駅に広がっていることや、武蔵小杉がJR(横須賀線・湘南新宿ライン・南武線)と東急(東横線・目黒線)の乗換駅であることなどが一般に挙げられます。ただし、これらがどの程度効いているかは、この記事の集計の範囲外です。当社では今後も四半期ごとに同じ方法で集計を続け、変化があればこのブログでお伝えします。

売却や購入を考えている人はどう読めばよいか

エリア全体の中央値は相場の方向を知る目安として使い、個別の物件は棟・階数・向き・面積をそろえた成約事例で判断するのが確実です。

  • 売却を考えている方:武蔵小杉の2005年以降築のマンションは、4年前とは価格帯が大きく変わっています。4年前の購入価格や、数年前の査定額を基準に考えると、実際の相場とずれている可能性があります。当社の査定では、この記事と同じ国土交通省の成約価格データを地区・築年で絞り込み、根拠となるデータをそのままお見せします。
  • 購入を考えている方:2025年の㎡単価の中央値で単純に割ると、1億円で届く広さは武蔵小杉駅周辺で約67㎡、川崎駅周辺で約87㎡です。通勤先や生活圏と合わせて、比較の候補に入れる価値があります。逆に、上がり続けた相場がこの先も同じ角度で上がるとは限りませんので、住宅ローンの返済計画は金利上昇も含めて余裕を持って立てることをおすすめします。

売却や購入のご相談は、売りたい方向けのページ、買いたい方向けのページからどうぞ。

データと集計の方法

国土交通省 不動産情報ライブラリの「成約価格情報」(2021年第1四半期〜2026年第1四半期)から、東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県の「中古マンション等」のうち2005年以降築の取引を当社で集計しました。

  • エリアの定義:武蔵小杉駅周辺=川崎市中原区 小杉町・新丸子東・中丸子・丸子通・今井南町。川崎駅周辺=川崎市幸区 大宮町・中幸町・堀川町・南幸町、川崎区 駅前本町・砂子・東田町・本町・小川町・日進町・宮本町・宮前町。町名単位の集計で、範囲は当社の判断です。東京23区=東京都の特別区の全域。首都圏=東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県の全域です。
  • タワーマンションとの関係:成約価格情報には階数や総戸数の項目がないため、タワーマンションだけを取り出すことはできません。武蔵小杉駅周辺と川崎駅周辺はタワーマンションが中心とみられますが、中低層のマンションも含みます。
  • ㎡単価:成約価格を専有面積で割り、中央値をとりました。成約価格と面積は、個人が特定されないよう公表時に丸められているため、㎡単価は概算です。
  • 年の区切り:各年の値はその年の第1〜第4四半期の取引をまとめたものです。グラフは直近4四半期の中央値を四半期ごとに示しています。

出典と注記:本記事の数値は、国土交通省「不動産情報ライブラリ」の成約価格情報(API)を用いて当社が集計・加工したものです。このサービスは、国土交通省の不動産情報ライブラリのAPI機能を使用していますが、提供情報の最新性、正確性、完全性等が保証されたものではありません。成約価格情報は当該期間に成約した取引の一部をまとめたもので、市場全体の価格変動そのものを示すものではありません。

この記事のよくある質問

国土交通省 不動産情報ライブラリの成約価格データを当社で集計すると、武蔵小杉駅周辺(中原区 小杉町・新丸子東・中丸子・丸子通・今井南町)の2005年以降築の中古マンションの成約㎡単価(中央値)は、2021年の97.3万円から2025年の150.0万円へ、52.7万円(54%)上がりました。70㎡の部屋に換算すると、約6,800万円から約1億500万円です。

同じく2005年以降築で比べると、川崎駅周辺は92.0万円から114.6万円(+25%)、川崎市全体は70.0万円から90.0万円(+29%)、首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)全体は72.0万円から96.7万円(+34%)でした。2021年には武蔵小杉と川崎駅周辺の差は約6%でしたが、2025年には約31%まで開いています。

2005年以降築で比べると、東京23区の成約㎡単価(中央値)は2021年の100.0万円から2025年の137.5万円へ38%上がりました。武蔵小杉駅周辺は2021年から2023年まで23区を2〜3万円下回っていましたが、2024年に上回り、2025年は150.0万円と23区より12.5万円高くなっています。

武蔵小杉駅周辺の2005年以降築の成約のうち、成約価格が1億円以上だったのは2021年は135件中1%でしたが、2024年は25%、2025年は196件中60%になりました。成約価格の中央値も7,100万円から1億1,000万円に上がっています。

2005〜2014年築に絞って比べても、武蔵小杉駅周辺の㎡単価は2021年の92.3万円から直近1年(2025年第2四半期〜2026年第1四半期)の144.4万円へ56%上がっています。同じ条件の東京23区は37%、川崎駅周辺と首都圏全体はどちらも31%、川崎市全体は26%の上昇で、武蔵小杉だけが大きく上回っています。

エリア全体の中央値は相場の方向を知る目安です。個別の物件の価格は、棟、階数、向き、面積で大きく変わります。当社の査定やご提案では、同じ国土交通省の成約価格データを地区・築年で絞り込み、根拠となるデータをそのままお見せします。

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