リーマンショック前と比べて、マンション・一戸建て・土地の価格はどれだけ上がった?(東京・横浜・川崎)
リーマンショック前の2008年を100とすると、東京都・神奈川県・横浜市・川崎市の中古マンション価格は2025年に200〜216と約2倍になりました。一方、一戸建ては111〜129、住宅地の地価は103〜119と、伸びはゆるやかです。国土交通省の公的データをもとに、リーマンショックとコロナショックでそれぞれがどれだけ下がり、何年で元の水準に戻ったかを比べます。
リーマンショック前と比べて、いま価格はどれだけ上がったのか
2008年を100とすると、東京都・神奈川県・横浜市・川崎市の中古マンションは200〜216と約2倍になりました。一戸建ては111〜129、住宅地の地価は103〜119で、伸びはゆるやかです。 同じ18年ほどの間に、マンションだけが大きく伸びています。
| エリア | 中古マンション(2025年下期) | 一戸建て(2025年下期) | 住宅地の地価(2026年) |
|---|---|---|---|
| 東京都 | 216 | 129 | 119 |
| 神奈川県 | 203 | 111 | 103 |
| 横浜市 | 202 | 116 | 111 |
| 川崎市 | 200 | 116 | 114 |
2008年(マンション・一戸建ては2008年上期)=100
マンションと一戸建ては、国土交通省の不動産取引価格情報をもとにした当社の推計です。売れた物件の築年数・広さ・区の違いをそろえて比べているので、「新しい物件が多く売れたから上がって見える」という影響は除いています。地価は国土交通省「地価公示」の住宅地です。どの地域も同じデータ・同じ計算方法で出しています。



リーマンショックで、それぞれどれだけ下がり、何年で戻ったのか
中古マンションは2009年上期に底を打ち、数年で元の水準に戻りました。一戸建てと土地は2012〜2013年まで下がり続け、元に戻るまで約13〜15年かかっています。
| エリア | 中古マンション | 一戸建て | 住宅地の地価 |
|---|---|---|---|
| 東京都 | 2009年上期に底(−7.5%)→ 2013年下期に回復 | 2012年下期に底(−15.1%)→ 2021年上期に回復 | 2013年に底(−14.2%)→ 2023年に回復 |
| 神奈川県 | 2009年上期に底(−9.7%)→ 2010年下期に回復 | 2013年下期に底(−15.3%)→ 2022年上期に回復 | 2013年に底(−8.8%)→ 2026年に回復 |
| 横浜市 | 2009年上期に底(−9.8%)→ 2010年上期に回復 | 2013年下期に底(−12.9%)→ 2021年下期に回復 | 2012年に底(−9.6%)→ 2023年に回復 |
| 川崎市 | 2009年上期に底(−11.6%)→ 2010年上期に回復 | 2012年下期に底(−17.4%)→ 2022年上期に回復 | 2012年に底(−10.0%)→ 2023年に回復 |
下げ幅は2008年(上期)との比較
神奈川県・横浜市・川崎市のマンションは2010年にいったん2008年の水準を超えた後、2012年にかけて少し下がり、2013年上期からは上回り続けています。それでも、底から1〜4年ほどで元に戻ったマンションと、底を打つまでに4〜5年かかった一戸建て・土地とでは、動き方がはっきり違います。
なお、2008年1月の地価は、海外からの投資資金などで地価が上がった時期の頂点でした。高いところから比べているので、土地の回復は長めに見えます。また地価公示は1月1日時点の鑑定評価のため、実際の取引より動きが遅れて表れます。
コロナショックでは下がったのか
ほとんど下がっていません。どの種類も下げは2%未満で、1年以内に元の水準に戻りました。
| 下げ幅 | 戻った時期 | |
|---|---|---|
| 中古マンション | 2020年下期に0〜−1.8% | 2021年上期 |
| 一戸建て | 下げなし、または1%未満 | 2021年上期 |
| 住宅地の地価 | 2021年に0〜−0.6% | 2022年(神奈川県全体は2023年) |
コロナショックは、むしろ上昇のきっかけになっています。チャートを見ると、2021年からマンションも一戸建ても上がる勢いが強まりました。一戸建てが2008年の水準をはっきり超えたのも、この時期です。
なぜマンションだけが大きく伸びたのか
このデータから理由を一つに決めることはできませんが、マンションならではの事情がいくつか重なったと考えられます。
- 立地の違い。 マンションは駅の近くや都心など、便利な場所に建つことが多い住まいです。便利な場所の人気が高まると、その影響をまともに受けます。地価公示の住宅地は、駅から離れた場所も含めた平均的な住宅地です。
- 新築マンションの価格上昇。 建築費や用地費の上昇で新築マンションの価格が上がり、新築に手が届かない人が中古マンションに移ったことが、中古の価格も押し上げたと言われています。
- 買い手の変化。 共働き世帯が通勤に便利な駅近のマンションを選ぶ傾向や、低金利の住宅ローンが続いたことも、マンションの買いやすさにつながりました。
いずれも、このデータで確かめたものではありません。ただ、築年数や広さの違いをそろえてもなお約2倍になっているので、「新しいマンションが増えたから」だけでは説明できない伸びだと言えます。
一戸建てが土地と同じ動き方をするのはなぜか
一戸建ての価格の多くを土地が占めているためです。 建物の価値は年数がたつにつれて下がっていくので、一戸建ての値動きは土地の値動きに近くなります。
チャートでも、東京都・横浜市・川崎市の一戸建てと地価は、底を打った時期(2012〜2013年)も、2008年の水準に戻った時期(2021〜2023年)もほぼ重なっています。マンションは土地の持ち分が小さく、立地や建物、管理の評価が価格に大きく効くため、土地とは別の動き方をします。
全国の地価がまだ戻っていないのはなぜ重要か
「不動産はいずれ値を戻す」と言えるのは、東京・横浜・川崎のような都市部の話だからです。 全国の住宅地の地価は2016年まで下がり続け、2026年でも2008年の94%です。
同じ日本の中でも、人が集まる地域とそうでない地域で、値動きの差は大きく広がっています。神奈川県の中でも、横浜市・川崎市は2023年に2008年の水準を超えましたが、県全体で超えたのは2026年です。川崎市はリーマンショック後に全国より早く底を打ち、早く元の水準に戻った地域の一つです。
売却や購入を考えている人はどう読めばよいか
マンションと一戸建て・土地では、この18年の値動きがまったく違います。持っている物件、探している物件の種類ごとに、データを分けて見ることが大切です。
- マンションの売却を考えている方:2008年と比べて約2倍という水準は、この18年で最も高いところにあります。一方で、東京23区の中古マンション成約価格は2026年8月から前年割れが続いています。今の価格で売れるかどうかは、同じ駅圏・同じ築年帯の最近の成約事例で確かめるのが確実です。
- 一戸建て・土地の売却を考えている方:この18年の伸びはゆるやかでしたが、リーマンショックではマンションより大きく下がり、戻るまでに13〜15年かかりました。値上がりを待つより、住み替え先の計画に合わせて売り出しの時期を決めるほうが現実的です。
- 購入を考えている方:リーマンショックでは、マンションは1割前後下がった後、数年で戻りました。コロナショックではほとんど下がりませんでした。「大きく下がるまで待つ」という考え方は、過去のデータからは当てはまりにくいと言えます。
当社の査定やご提案では、国土交通省の公的データを築年・エリアで絞り込み、根拠となるデータをそのままお見せします。売却や購入のご相談は、売りたい方向けのページ、買いたい方向けのページからどうぞ。
出典:国土交通省 不動産情報ライブラリ「不動産取引価格情報」(2005年第3四半期〜2025年第4四半期)、同「地価公示」(国土数値情報 L01、2026年)。マンション・一戸建て・地価の指数は当社が計算しました。